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ヒメシャラ イラスト
Character

  沙羅

 ひめき さら
美しい立ち姿。可憐で清楚な花。緻密で艶やかな肌。一度その魅力を知ってしまうともう後戻り出来ません。彼女を求めて彷徨い歩くことになります。

でも、過度に期待すると裏切られます。彼女は小悪魔です。気をつけましょう。。

ヒメシャラ

 姫沙羅 / ヒメシャラ 
 落葉広葉樹 / ツバキ科 ナツツバキ属
 樹高15〜20m / 木材比重:0.80
 分布:神奈川以西〜屋久島

樹形の美しさ、樹皮の美しさ、可憐な白い花が印象的で、園芸用の庭木としてよく知られています。山野に自生し、群生することもあります。

Tree

 姫沙羅 / ヒメシャラ 
同じツバキ科に「ナツツバキ」があります。ナツツバキは「沙羅(シャラ)」とも呼ばれています。
ナツツバキよりも葉や花が小振りなため、「姫沙羅(ヒメシャラ)」と呼ばれているのがこの樹です。

ツバキが常緑で冬に開花するのに対し、ヒメシャラとナツツバキは落葉し、初夏に開花します。

すらりと伸びた樹形が美しく、花も可憐で美しいので、園芸用として株立ちに仕立てられたものが庭木として販売されています。公園などの植栽でもよく見られる樹です。

ヒメシャラの大きな特徴は樹皮の美しさで、山中でも黄金色に輝いて見え、目をひきます。細い枝も陶器を思わせる趣ある質感です。ツルリとした樹皮から「サルスベリ」と呼ばれる事もありますが、「百日紅(サルスベリ)」とは全く違う種です。

ヒメシャラと同じようにナツツバキも山中で見かける事があります。似た樹木ですが、樹皮の雰囲気が違うので、葉や花を比較しなくても区別出来ます。

ヒメシャラが日光を求めて開けた場所を好む陽樹なのに対し、ナツツバキは日陰でも生育する陰樹とのことで、同じ仲間でも棲み分けをしているようです。

「ヒメ」と名がつくのでヒメシャラの方が小さく優しいイメージがありますが、樹としてはヒメシャラの方が大きくなるようです。

上が「百日紅」のサルスベリの枝。下がヒメシャラの枝。どちらもツルリとした雰囲気ですが、一度見れば違いが解ります。

迷彩模様の樹皮比較
ヒメシャラ
ナツツバキ
サルスベリ
リョウブ
カリン
Material

木材

 姫沙羅 / ヒメシャラ 
ヒメシャラは樹皮の美しい木なので、樹皮を付けたままの利用が考えられます。樹皮は若木のうちは黄金色(写真上)で、成長するに従って鱗片状にはがれ落ち、迷彩のような樹皮になります(写真下)。

ただ、山から他の木に混じって出材される場合は、樹皮が傷だらけになってしまう事が多いので、なかなか樹皮が美しく残っている木材に出会いません。重機を使わず担いでくればいいのかもしれませんが、比重が0.8以上ある木なので、とにかく重いです。

ヒメシャラは細い枝も雰囲気のある素材で、和風建築の素材や、店舗の取手に使用しても面白い素材です。
木材としてのヒメシャラの美しさも特筆すべきだと思います。美しい木目が現れ、ほのかにピンク色をした上品な色合い、緻密で細やかな繊維で、輝く光沢を見せます。ツゲの木の代用として使われた事もあるそうです。

ただ、ヒメシャラは大径木が少なく、広い板がとれないばかりか、多くは樹形も複雑で繊維が複雑に絡んだ素性の木です。板に製材しても、反り、割れ、ねじれ、あらゆる変形を起こします。傷やカスレなどの欠点も多く、まともな平板を取るのはかなり難しい素材です。

樹皮の美しさと、木材としての美しさを活かすには、樹皮付きで保管するのも活かし方のひとつです。

ただ樹皮には虫が入ってしまうので、管理が必要です。

小さな木は輪切りにしても割れが入りにくく、コースターなどにも面白い素材です。

Craft

クラフト

 姫沙羅 / ヒメシャラ 
木の時計画像提供
堅く、重い材なので、加工には苦労します。一度、平面出しをしても、すぐ狂いが出ます。組み付ける作品には向かないので単体で使う事を考えた方がいいでしょう。

カンナかけをしても、両逆目が出たり、リボン杢のような木目もあり、クラフトマン泣かせです。その分、オイルフィニッシュでの仕上りは素晴らしいです。

流通して出回る木ではないので、直接山から手に入れて、製材所に持ち込むなど、木材としての入手には苦労すると思われます。

※記述は筆者の経験則によるもので、学術的な見解ではありません。  --サイトのご利用について--

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