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Character
 じんぽう ともみ
眠るの大好き。夕方、日没前にはベッドに入ります。冬は特に深い眠りに入り、春はひときわ目覚めが遅い眠り姫です。

穏やかで優しい性格です。お気に入りの寝場所を真っ先に見つけるのが得意です。

ネムノキ

 合歓の木 / ネム ネムノキ コウカボク
 落葉広葉樹 / マメ科 ネムノキ属
 樹高:10〜15m / 木材比重:0.52
 分布:本州〜沖縄
夕方になると葉を閉じる事から「眠り」に関わる呼び名が多くあり、ネムノキの語源にもなっています。淡いピンク色の花は、色の少ない初夏に爽やかな景色を演出してくれます。
CMで有名な「この〜木何の木」はアメリカネムで、日本のネムノキも、大きく傘のように枝を広げる樹形が特徴的です。

Tree

ネムノキ

 合歓の木 / ネムノキ
ネムノキの漢字表記は「合歓」という字が充てられていますが、これは中国に由来するものです。夜になると葉が閉じて重なる姿が、夫婦の共寝をイメージさせるので「仲睦まじい=合歓」というのが由来です。

日本でも葉が合わさる姿が、手を合わせて拝んでいるようにも見える(合掌)ので、縁起の良い木として扱われる地域もあります。

ネムノキは、川沿いの開けた場所や、荒れ地などの痩せ地に真っ先に進出して根を降ろすパイオニアツリーです。これはマメ科に特徴的な根粒菌による窒素固定が可能な事によるものです。

枝振りを見ても解るように、他に木のない場所で、横に大きく傘のように枝を広げ、広い空間を光合成に充てます。比較的成長も早いので、空間を占有して成長していきます。ネムというとのんびりしたイメージがありますが、実は素早い先駆者です。

ネムノキの葉はマメ科らしい対生葉で、小さな葉が2列に並んだ葉が、さらに2列に奇麗に並んでいて、ちょっとシダの葉を思わせます。

夕方になると葉を閉じる『就眠運動』をするのが有名で、日没の1時間くらい前にはもう葉が閉じてしまいます。オジギソウは手で触ると葉を閉じますが、ネムノキは触っただけでは葉は閉じません。

花はボンボンのようで可愛らしく、特徴的な形の花です。ピンク色の長いのはオシベで、その中に白いメシベがあります。

6〜7月後半まで、次々と花を咲かせるので、2ヶ月近い長い期間、花が楽しめます。近づくとほのかに甘い香りがします。

葉は夕方になると閉じるのに対し、何故か花は夕方から咲き始め、夜も咲いています。

実は、いかにもマメ科らしい実です。

花期が長いせいもありますが、花がほぼ終わった8月中旬には、すでに10センチほどの緑の実が出来ています。

ネムノキは春の目覚めが遅い事でも知られています。桜がとっくに終わって、他の木々が次々と若葉を展開している時期に、まだ芽吹く様子もなく、まるで枯れてしまったかのようです。

葉が夜に閉じる上に、春の目覚めも遅いという、正に「眠る」を象徴したような樹木です。

Material

木材

 ネムノキ
マメ科の木材は、芯材の色が濃いものが多く、希少材、銘木材として扱われる木が多くあります。

海外の木では、紫檀、カリン、タガヤサン、ローズウッドなど、世界に冠たる銘木の多くがマメ科の木です。

日本でマメ科の木で、芯材の色が濃い木の代表は槐(エンジュ)ですが、ネムノキもマメ科らしい濃い色をしている木のひとつです。

荒れ地や川沿いにある事もあり、森の奥で大木に育つというケースも少なく、太い大きな樹になかなかならないので、木材としての利用は少ない木です。それでも、直径50センチくらの木もまれにあります。

比較的真っすぐで、目の通った材は、素直で大人しく、目にも優しい落ち着いた良材になります。目の粗い部分は、木目がぼけた印象になります。

写真左は最大幅50センチ、右は25〜30センチ程の木です。

成長が早い木なので、木目は比較的粗く、広葉樹としては中程度の堅さで、加工しやすい木材です。

木材の芯材の色は、かなり幅があるようです。色の淡い木から、濃い茶色の木まで、同じ樹種とは思えない色具合です。

環孔材なので、木目は明瞭に現れて、木目の流れが面白い表情を作ります。

シラタが比較的少なく、赤身として利用出来る部分が多いのも嬉しい素材です。赤身とシラタのコントラストが面白いので、源平で使ってもいい表情が出ます。

ただ、シラタは乾燥後も虫が付きやすい傾向があります。赤身にもセンコウ虫が入る事があるので、あまり屋外に放置しない方がいいようです。

Craft

クラフト

 ネムノキ
木の時計画像提供
木材の堅さ、加工の触感、雰囲気などは、オニグルミをイメージしていただければほぼ間違いないと思います。ほどよい堅さで、加工しやすい木材です。オニグルミよりは少し堅い印象です。

加工後も大きな狂いは出ないので、材としては大人しく、扱いやすい木材です。オイルフィニッシュでの仕上りは良好で、マメ科らしいしっとりと濃い濡れ色になります。

写真の時計はどちらもネムノキです。色の幅が大きいですが、上の淡い色が一般的です。下の濃い色のネムノキは、アメリカネム(モンキーポッド)を思わせます。

木材としての流通は殆ど無いです。
里山にも多く自生している木ですが、木材として利用できるまでに成長する木は少なく、まれに30センチくらいの木が出材される程度で、大径木は期待できません。

山で手に入れて、製材所に持ち込むなどが必要で、木材としての入手には苦労すると思われます。

※記述は筆者の経験則によるもので、学術的な見解ではありません。  --サイトのご利用について--

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